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成功事例

大前研一さん、「節電」ではなく「集中排除」!

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大前さんに教えていただいた計画停電についてのコメントです。

「大切なのは「節電」ではなく「集中排除」だということです。
 どんなタイミングでブラックアウトが起きるのかと言えば、電力消費
 がピークに達した時です。蓮舫節電啓発担当相も必死になって「節約
 ・倹約」を訴えていますが、「ピーク時の電力消費量」が低くならな
 ければ意味がありません。

 ですから、消費量が低い真夜中にあえて暖房を止めて寒い思いをし
 てまで「節電」する必要はないでしょう。もちろん一般的に無駄な
 電力を節約するのは良いことですが、今回の趣旨とは違うということ
 です。

 これらの事実を踏まえて、私は次のような方法を提案します。
 まず電力を「15%」削減できる3つの施策を重ねて実行します。

 ・4月からサマータイムを採用し、時間を2時間早める
 ・企業や工場は週5日間を選択制で操業し電力需要を平準化する
 ・夏の甲子園を中止、または春か秋に変更する

 これから春・夏を迎えます。朝6時半から動き出すのではなく、
 2時間ずらして朝4時半からに変更するのです。太陽光をエネルギー
 にするのではなく、別の意味で太陽の力を借りるということです。
 私の試算ではこれだけで4~5%の削減できる可能性があります。

 東京電力管内の曜日別の電力需要量を見ると、土日が少なくなって
 いて、平日のピーク時は平均よりも約7%需要量が多くなっています。

 そこで、企業や工場は操業する曜日を週5日間から選択することで
 平準化を図ります。もちろん多少の不便はあると思いますが、
 これで約7%の削減が可能になると思います。

 そして1年間の中で最も電力消費量が多い8月への対策として、
 夏の甲子園を中止・延期します。甲子園で使われる電力の削減、
 そしてそれを冷房の効いた部屋で観戦する分の電力削減を狙います。

 さらに電力の東西グリッドの完全接続を実現します。日本では静岡県
 の富士川と新潟県の糸魚川付近を境にして、東側は50Hz、西側は
 60Hzの電気が送られています。

 これを完全に接続するためには相応の工事費用がかかるとのこと
 ですが、今回の混乱を見れば、世論も工事費の負担を受け入れて
 くれるのではないでしょうか。

 今後、復旧まで3年~5年ほど東京電力では発電量は20%減になる
 と思います。東西の日本でいつでも電力の貸し借りができる体制を
 今こそ作るべきです。

 リーダーシップさえ持っていれば今の国民感情を考えれば、すぐに
 これらを実施に移すことができると私は思います。」